source:  gigazine.net 盲視 (blindsight・ブラインドサイト)とは何かというと、視覚に関する脳の損傷によって視力が全くなかったり、知覚的に見えていない状態であったりするにも関わらず、「とりあえず当てずっぽうで良いのでどこにあるかを...

8:34 by aceartacademy
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盲視(blindsight・ブラインドサイト)とは何かというと、視覚に関する脳の損傷によって視力が全くなかったり、知覚的に見えていない状態であったりするにも関わらず、「とりあえず当てずっぽうで良いのでどこにあるかを指さしてみて」と言われたときに「チャンスレベル以上の有意な水準で予測できる」ことで、これが特殊な条件下で無くても、日常生活で起きることが証明されたそうです。

(中略)

通常、眼の「網膜」で見た情報は「視床」を経由して「視覚野」に送られ、ここで初めて「見ている」として意識されるのですが、伊佐教授ら研究チームのこれまでの研究成果から、脳梗塞などで「視覚野」が障害を受けた場合には中脳の「上丘」を介して脳の中に無意識に情報が伝わっていくことがわかってきた、とのこと。

(中略)

今回、研究チームは、実験室の特殊な視覚刺激条件ではなく、日常生活のシーンの中でも、盲視現象が生じるかどうかを日常生活シーンの映像を利用して検証し、特に見えないはずの視野の中でも「動き」「明るさ」「色」で目立つ部分には目を向けることができることを明らかにした、とのこと。つまり、目の動きをみるだけで、見えないながらも、無意識にどこに注意をむけているのかが分かるそうです。

(中略)

吉田助教によると「脳血管障害による視覚障害患者(脳梗塞後の同名半盲など)において、盲視の能力が日常生活でも使える可能性を明らかにしたことで、視覚障害患者でもリハビリなどによって視覚機能回復を行う意義と可能性を示したといえます。また、“ムービークリップ視聴中の眼球運動の測定”という検査方法によって、どの程度(無意識に)見えているのか検査することが可能ということもわかりました」と話しており、脳血管障害による視覚障害患者の視覚回復とそのリハビリテーション法開発へ道ができていく可能性がこれによって大きくなってきた、というわけです。