source:  wired.jp (前略) この新素材は、ハーヴァード大学ヴィース研究所のジョアンナ・アイゼンバーグのチームが、同大学が2011年に開発した別のコ...

10:08 by aceartacademy
source: wired.jp

















































(前略)

この新素材は、ハーヴァード大学ヴィース研究所のジョアンナ・アイゼンバーグのチームが、同大学が2011年に開発した別のコーティング技術「Slippery Liquid-Infused Porous Surfaces(SLIPS:滑りやすい液体を含浸した多孔質の表面)」を発展させて開発したものだ。

名前が示すとおり、このコーティングは、表面が非常に滑りやすく、液体をはじくため、常に清潔で耐久性が高くなる。また従来のSLIPSと異なり、透明性も実現している。

新素材の作成法は、まず平らなガラスの上にポリスチレンの微小な球を並べ、その上から液状ガラスを流す。ポリスチレンの球が半分ほど埋まったところで止め、ガラスが固まるまで待つ。

その後、ポリスチレンの球を焼いて除去すると、ガラスに蜂の巣状の跡が刻まれるため、そこへSLIPSに用いられている滑剤を流し込む。SLIPSを蜂の巣状に配置することで、素材は新たな強固さと耐久性を獲得する。上からテープなどを貼ってはがしても、表面の滑らかさと耐液性は保たれ、水やワイン、オリーヴオイル、ケチャップ等をはじくという。

この素材の成功は、蜂の巣状の構造によるところが大きい。「Nature Communications」誌に発表された研究論文によると、蜂の巣構造は、素材に耐久性をもたせるだけでなく、興味深いことに、素材の透明性もこの構造によるものだという。蜂の巣の各部屋の幅を、可視光の波長ひとつ分の幅より小さくすることで、コーティングは透けて見える。

また、この素材はガラスにコーティングすると霜にも耐えるため、あらゆる状況下で耐久性を発揮する。

(後略)