source:  karapaia 海外メディアなどでは、「これが噂のライトセーバー分子か?」などという見出しが躍っており、期待度の高い研究結果となったようだが、米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の科学者らは、日夜光についての常識に挑戦している。 ...

12:12 by aceartacademy
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海外メディアなどでは、「これが噂のライトセーバー分子か?」などという見出しが躍っており、期待度の高い研究結果となったようだが、米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の科学者らは、日夜光についての常識に挑戦している。

これまでの常識では、光子が質量をもたず、相互作用しないことから、ライトセーバーのように一定の長さで止めることはまず無理であるとされてきた。剣のように打ち合いすることもままならない。ところが今回、質量をもたない光子を相互作用させ、結合させることでフォトニック分子を作ることに成功。光子の相互作用を可能にしたのだ。

ハーヴァード大学で物理学を研究するミハイル・ルーキン教授は、「今回われわれは特殊な媒体を作りだし、その中で光子同士が強く相互作用し、それによって質量をもつかのように振る舞い、結合して分子を形成させられるようにした。このような光子の束縛状態は、以前から理論上では議論されていたが、これまで実際に観測されたことはなかった」と語る。

研究チームは、真空室に、金属元素であるルビジウム原子を満たし、絶対零度近くまで冷却した(原子を、ほぼ静止状態にした)。そしてこの原子の雲に、ごく弱いレーザーを使って光子を照射した。原子の雲に入ると、光子はエネルギーを失い、劇的に減速した。

ふたつの光子を一度に照射すると、雲を通り抜けて出てくるときに、結合してひとつの分子を形成していた。これは光子が、雲の中で通り過ぎる原子と、エネルギーを交換することによって生じる。

「量子情報を運ぶ上で、光子は現在、考えられる限り最良の手段であるため、今回の成果は、より大きな枠組みでわれわれの研究に役立つものだ。これまでは、光子は相互作用をしないということが障壁になっていた」ルーキン教授は語る。

光子の相互作用を可能にする今回のプロセスは、量子コンピューティングの開発や、従来のコンピューターの消費電力問題への応用等が期待される。将来的には、光から、結晶のような3次元構造をつくりだすことも可能になるかもしれない。