source:  gigazine.net 指紋や虹彩、静脈などを使った生体認証はすでに銀行のATMや端末のユーザ認証に用いられていますが、専用の読み取り装置が必要です。これを、新たなチップ類を開発することなく、生体認証センサーとソフトウェアさえ搭載すればあ...

8:24 by aceartacademy
source: gigazine.net






指紋や虹彩、静脈などを使った生体認証はすでに銀行のATMや端末のユーザ認証に用いられていますが、専用の読み取り装置が必要です。これを、新たなチップ類を開発することなく、生体認証センサーとソフトウェアさえ搭載すればありとあらゆるノートPCやタブレット、スマートフォンで使えるという技術をインテルが開発しました。デモンストレーションでは、タブレットに生体認証センサーを内蔵し、その上に触れることなく手を通過させるだけで認証に成功しています。

パスワードを取り巻く大きな問題として、「あまりにも多数のパスワードが必要になっている」ということが挙げられます。あらゆるところで同じパスワードを使用しているという人もいますが、セキュリティのことを考えると、サービスごと、サイトごとに個別のパスワードを設定する必要があります。しかし、2~3個ならともかく、サイトが大量になってくるとそれだけパスワードの数も増えることになり、管理が大変。

セキュリティは保つ、それでいてパスワードは使わない……ということで、インテルはノートPCやタブレットに手のひらの静脈パターンを識別する生体認証センサーを内蔵することで乗り越えようと考えています。サンフランシスコで開かれたインテル開発者フォーラムで、セキュリティリサーチディレクターのSridhar Iyengar氏がこのパスワードに代わるシステムのデモンストレーションを行いました。Iyengar氏はタブレットに触れることもなく手を振るだけでしたが、センサーはIyengar氏を認識しました。

生体認証自体はすでに実用化されている技術ですが、インテルはそこから一歩踏み出したものを開発。タブレットやノートPC、スマートフォンの使用時、端末が一度ユーザを識別すると、あとは埋め込まれたハードウェアと搭載したソフトウェアがオンラインバンキングなどの保護されたサービスに接続するので、利用時にわざわざパスワードを入れたりする必要がありません。

追加の保護システムとして、例えばユーザが端末に触れていない時にこっそりと誰かが端末を手に押しつけて勝手に認証してしまうおそれがありますが、デバイス内蔵の加速度センサーを用いて、勝手な認証ができないようロックしたり、ユーザが端末から離れたら自動的に認証を解除するなどのシステムが考えられています。

インテルのJustin Rattner CTO(最高技術責任者)によると、この現在開発中の生体認証技術は、端末の中に生体認証センサーと新しいソフトウェアを組み込む必要はあるものの、新たなチップ開発は必要ないとのこと。また、すでにいくつかのノートPCで実用化されている指紋認証よりも使いやすいだろう、と語っています。ちなみに、悪党に狙われるかもしれないと心配する人のために「認証には血流が必要なので、切断された手では動きませんよ」とも付け加えました。